日頃ユーザー体験について考えているデザイナーが、子供の小学校生活を充実させる方法を考えた

日頃ユーザー体験について考えているデザイナーが、子供の小学校生活を充実させる方法を考えた

この春、我が家の子供が小学校に入学しました。大人も不安ですが、何より不安を感じているのは子供ですよね。そこで子供の不安を解消し、学校に馴染むためにはどうすべきかを考え実行しました。そしてちょっとした困りごとがあったので、解消する方法を考えました。
Clock Icon2022.04.28

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子供の不安を解消するための行動

自席の周りを認識しやすくする

小学校からクラスメイトの名前一覧をもらいました。ただし渡されたのが名簿だったので、それを席順に書き換えて子供に共有し「後ろの席は〇〇ちゃんだって」「斜め左前は〇〇君」と言ったように、子供を中心にどこにどんな名前の子がいるかを説明しました。
あとは私も子供の周りの席の子の名前を早く覚えるようにしました。「〇〇君と話した?」とか「〇〇ちゃんは何の本借りてた?」など家庭でもクラスメイトの名前が飛び交えば、気持ち的にも安心できると考えたためです。

席

子供から学校の様子を聞こう

とにかく学校の様子はほぼ子供の証言しか情報がありません。子供から学校の様子を聞き出すのは中々大変です。「今日どうだった?」と聞くと「ふつう」としか返してくれませんので、具体的なモノやコトを出して聞くようにしています。
「今日お話したお友達は誰?」とか「体育の授業はどんなことしたの?」とか。ユーザーインタビューの基本を忠実に守り「はい / いいえ」で回答しないような聞き方をしています。
そして質問の回答にはさらに質問します。
親「休み時間は何していたの?」子「絵を描いていたよ」 という会話の後は「どんな絵を描いていたの?」や「他の子はその時に何をしていたの?」などさらにその話を深掘りします。

会話 保育園と比べると学校の様子はかなり見えにくいです。だからこそ、日々会話を重ねて「お互いの共通言語」を増やす努力をしています。入学して2週間ほどたった今、少しずつ自分から学校のことを話してくれるようになりました。(おかげで、私が懇親会の日程を勘違いしていたことも判明しましたw)

友人関係で悩むのはまだ先

親として気になることの一つに友人関係はどうしてもあると思います(私もいつも気になっています)ところが先日開かれた小学校の懇親会で先生曰く「今はまだ自分がやりたいことを優先してしまう時期です。興味が移って一緒に遊んでいたはずのお友達を置き去りにすることもあります」とのことでした。今はクラスメイトと声掛けして、何かを一緒にするまでは中々至らない時期だそうなので、気長に見守りたいと思います。

子供が次の日の準備をできるようにしたい

毎日の身支度はなるべく子供が進んでやって欲しいのですが、中々自発的にやってくれません。そのため小言が多くなることも増えました…これは親子関係に対してよくないことが目に見えています。
学校からは日毎に持ってくるものリストを漢字表記でもらったため、親も一緒に準備して欲しいということなのかもしれません。(しかしリストを見てついつい親が準備をしてしまう流れです)何を持ってきたか、どこに入っているかなどを把握するためにもなるべく子供自身が中心となって準備し、親は最後の確認だけにしたいと思っています。
日頃アプリ制作に携わっているので、こんなアプリがあったらいいなという妄想で持ち物の準備をするアプリのアイデアを考えました(デザインだけですが)

子供についてと子供が準備する流れ

簡易的ですがペルソナとユーザーフローを考えました。我が子に向けたデザインなので我が子がペルソナそのもので、我が子のフローです。

ペルソナとユーザーストーリー

準備アプリがあるといいかも

junbi プリントをもらったら親が写真を撮って、そこから文字情報を認識して、ひらがなの持ち物リストを自動作成し、日毎にラジオボタン付きのリストにしてくれるアプリです。もちろん持ち物を直説入力することも可能です。(※私はアプリエンジニアではないので実装しておりません、あくまでデザインだけです)
アプリは現状の我が子の学校の環境からプリントをもらう前提から始まっていますが、持ち物をアプリで配信できるようになると、より便利に活用できるのではないかと思います。アプリ配信することで、親がプリントをもらっていないというよくある問題も防止できます。
今回作成していませんが、このアプリ内で子供が自発的に準備したくなるような仕組みがあれば継続も促進できそうだなと思います。例えば我が子はゲームが好きなので、その要素を取り入れると毎日自らやってくれそうな気がします。

準備達成後

準備アプリをデザインする上で考慮したこと

あくまで小1の我が子でもわかるアプリを考えましたので今回はひらがな中心に作成しました。文字サイズもあえて大きめにしております。
フォントはMORISAWA BIZ+ 無償版からBIZ UDゴシックを使っています。

かん字対応 また、下部のアイコンに関しては、今日や明日のアイコンは該当の日付になっていると認識がしやすいだろうなと考えております(iPhoneのカレンダーのように毎日連動して変化する想定です)
背景は、学校でよく配られる藁半紙の色味にしています。我が家の場合、保育園のプリントはよくあるコピー用紙でしたが、小学校からのプリントはほぼ全て藁半紙に変わりました。小学校と同じような環境にすることで、小学校での準備をするんだという点を意識して欲しいです。

帰宅後のルーティーンもチェックリスト化するとスムーズ?

さらに我が子の直近の課題として、その日もらったプリントを提出しない、その日使ったハンカチを出さないなど諸々のものを出さない問題が発生しています。そこでこのアプリを立ち上がり、次の日の準備をする前にその日もらったプリントや使ったものを出すTODOリストとしても活用できれば、出し忘れが減らすことができるかもしれないと考えました。
もしお子さんがYoutube動画などを見ることが日課になっていたら、画面ロックを解除すると自動的にこのアプリが起動して「その日使ったもらったものや使ったものを出す/次の日の準備をする」一連の流れを完了しないと他のアプリを起動できない設定などができたらより確実にやるべきことをやってくれるかも?と考えてみたりしました。

準備する仕組み

実際に使用してもらったが…

我が子の持ち物準備時間に、実際に使ってもらいました。結構根本的な盲点ですが、我が子はラジオボタンではなく文字列をクリックしてしまうということがわかりました。あとスマホだといちいち持ち直す手間が発生し、我が子が準備をしながら使うには適切なデバイスではないと感じました。

というわけで、iPhoneアプリデザインの反省を踏まえて、iPad用に作り直してみました!

iPadは画面が大きく、スタンドで画面を立てながら利用できるので、だいぶ操作は楽になったようです。習慣化する仕組みを考えて組み込んであわよくば習慣化させるのが今後のねらいです。

さいごに

本日、家庭訪問があったのですが、先生から「席の前後左右の子にも積極的に話しかけていて、社交的なお子さんだと思いました」とのことでした(驚き) 座席表にして親子でインプットした成果が少し出ているのかもしれません。そして我が子なりに頑張っているのを感じました。
実は我が子の学校の出欠連絡は専用アプリで行う事になっています。出欠でアプリを活用するならば、持ち物に関しての連絡にもアプリを使えるのではないかと考えた所から、後半のアプリのアイデアを考えました。次の日の準備をアプリにサポートしてもらって、私の小言回数が減る代わりに褒める回数が増え、親子関係も円満になるというのが理想です。
学校は見えない部分が多いため、これからも少しの変化でも見逃さないようにしてフォローを入れていかなくてはいけないなと思いました。

余談ですが、担任の先生の一言が印象的で「勉強ができたことよりもできたことをお友達に教えてあげるのが一番定着する」とのことでした。まさにDevelopers.IOにも繋がる精神で、学びの基礎は小学校の頃から培われていることを実感しました。

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